三菱化工機株式会社

三菱セルフジェクターの累計生産台数が70,000台を達成

三菱化工機株式会社(社長:波多野怜)は、6月22日に、たて型遠心分離機・三菱セルフジェクターの生産台数が70,000台を達成いたしました。海運・造船業界の活況により受注・生産が増加し、当初の予想よりも前倒しでの達成となりました。この活況は今後も継続が見込まれ、弊社も増産体制で生産に当たります。

三菱セルフジェクター(Self Jector、以下SJ)は、1940年(昭和15年)に船舶デーゼルエンジンの燃料油・潤滑油の清浄用に、三菱化工機が独自に開発いたしました。SJは、高速回転により重力の8,000倍以上の遠心力を発生させ、固形分・重液・軽液を比重差により効率よく分離する遠心分離機です。1940年に1号機を完成させた後、技術改良を経て、1955年(昭和30年)に、現在のSJの原型となる自動排出型油清浄機の開発に成功しました。

1970年には、累計生産台数が10.000台を達成しました。同年、省力化の要求に合わせ自動運転可能なSJ1000シリーズにモデルチェンジしました。折からの経済発展に伴い海運・造船業も隆盛を極め、1982年には30,000台を達成しました。
1980年代半ばに、低質油に対応可能な高性能機・SJ-Eシリーズ(Excellentシリーズ)が投入され、1993年に50,000台を達成しました。そして1996年には、より高い信頼性を誇るSJ-Fシリーズ(Futureシリーズ)に引き継がれました。
1999年7月に60,000台を達成し、2002年4月にはSJ-Fシリーズの後継機として、省エネ型のSJ-Gシリーズ(Geniusシリーズ)を発表しました。Gシリーズは、Fシリーズの特長の一つである「よりタフネス、よりメンテナンス性の向上」を継承しながら、「主機の高出力化への対応」「船内IT化への対応」を始めとして、船舶燃料油の低質化の進行に対応すべく「分離性能の向上」や「高密度油処理における信頼性・操作性の向上」に配慮しました。

また、SJは船舶に加えて陸上用としても納入されており、医薬、食品、ファインケミカルを含む実に幅広い分野でご使用いただいています。最近の新たな用途は、次の通りです。

  • 廃油処理
  • 水溶性クーラント、洗浄液からのオイル、微粒固形分の除去
  • 化学プロセス中の液-液分離
  • 酵母・乳酸菌等の菌体分離
  • 食品、医薬品原料の分離
  • 顔料、樹脂スラリー、カーボンスラリーなどの分級

現在、SJ事業については船舶分野で40%以上の世界シェアを持っておりますが、今後は中国を中心とした海外展開及び陸上分野への展開に注力し、さらに事業規模を拡大させたいと考えています。