社長メッセージ
『進化と変革へ』第一歩
2035年創立100周年を見据えた
「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」の達成に向けて
当社は、1935年(昭和10年)、当時輸入に頼っていた化学工業機械の国産化要請に応えるため、化学機械専門メーカーとして創立いたしました。以降、日本の化学工業の発展と深く関わりを持ちながら、水質汚濁防止・大気汚染防止などの環境分野をはじめとして、舶用・産業機械分野、更には都市ガス、石油、水素、電力、化学、医薬、食品、半導体、バイオ、水処理、エネルギー等々多岐にわたり、常に新しい時代のニーズに対応した装置・設備の設計・製作・建設を一括して請け負い、多くの実績を残してまいりました。
当社は創業以来「固体・液体・気体の分離」をコア技術としています。創業時の化学工業機械の国産化を通じて獲得した「モノづくり技術」、そしてモノづくり技術の強みを活かして、幅広い分野にわたる装置・設備の設計・製作・建設の実績とノウハウを積み重ねてまいりました。このようにして、当社は時代の変遷に添った様々な社会課題に対応しながら、エンジニアリング事業と単体機械事業において、自社のケイパビリティを発展させてまいりました。
「VUCA※の時代」と呼ばれる現在、私たちを取り巻く社会は気候変動・エネルギー危機・人口問題など世界的規模の様々な社会課題を抱えております。日本政府は2020年10月に、大きな社会課題の一つである地球温暖化対策について、2050年までにカーボンニュートラルを実現すると宣言いたしました。これに即応して、日本の各企業は、脱炭素社会に適応する製品、技術の開発に大きくかつ急激に舵を切り、進み出しております。
このような流れの中、私ども三菱化工機グループは、企業としてこれら課題解決への絶え間ない挑戦により社会へ貢献することを目指すべく、2021年11月に「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」(以下「経営ビジョン」) を策定し公表いたしました。この経営ビジョンは、2050年を最終到達年として、2035年の当社創立100周年を踏まえた長期ビジョンであり、SDGsへの取組みも含め、2035年には当社の既存技術・製品からなる事業と、それをさらに深化させた事業に加え、新しい分野の事業を合わせて現在の事業規模を1,000億円規模にしていくというものです。
当社グループは、2050年までに、5つの社会課題「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」の解決に貢献する企業グループを目指し、全社目標に「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現する」を掲げ、MORE Sustainable, KEEP Innovating for a KINDHEARTED Society (MKK (Mitsubishi Kakoki Kaisha, Ltd.))を合言葉に、「持続可能な循環型社会推進事業」「水素を核としたクリーンエネルギー事業」「デジタルを活用した省力・省エネ事業」、さらに新たな事業として「水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代技術開発事業」の4つの事業領域を展開し、成長を図る決意です。
現在、この経営ビジョン実現に向けた成長への第一歩として『進化と変革へ』を行動の目標に、中期経営計画(2022年度~2024年度)を進めております。成長へ向けた「新たな事業ポートフォリオの確立」、「経営基盤の確立」を進め、企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーの皆様に安心される企業を目指し、本計画の達成に全力で取り組んでまいります。
今後とも、ご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
※VUCA(ブーカ):Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)