新型水素製造装置 HyGeia(ハイジェイア)を開発
このたび、三菱化工機株式会社(社長:波多野 怜)は、新型水素製造装置HyGeia(ハイジェイア)を開発しました。今回開発したHyGeiaは、50立方メートル毎時の高純度水素(99.999%)を発生させる能力を有し、当社の従来型小型水素製造装置に比較して、20%以上の原料使用量を削減し、設置面積を1/2にコンパクト化し、そして、完全自動化により運転性と信頼性を飛躍的に向上させました。
新型水素製造装置HyGeiaは、今後益々増加する燃料電池自動車用の水素供給ステーションや、半導体製造、石英ガラス製造、金属の熱処理などで使用されてきた圧縮水素の代替用として使用できます。
当社は、国内で最も早く水素製造装置の開発に着手し、大型(水素発生能力:1000立方メートル以上毎時)、中型(同:200~1000立方メートル未満毎時)、小型(同:40~200立方メートル毎時)の幅広い能力の水素製造装置を、現在まで約100基(総製造水素ガス量約81万立方メートル毎時)納入し、国内最多の建設実績を有しています。特に、最近は燃料電池自動車実証試験用の水素供給ステーションに4基を納入し、着実に実績を伸ばしております。
今回の新型水素製造装置HyGeiaの開発にあたっては、これらの経験とノウハウを集大成し、「次世代の水素社会に向けたコンパクトで、安価な水素を供給できる信頼性の高い装置」をコンセプトとしました。
今後は、LPG等他の原料の対応装置、並びに、100、200、300立方メートル毎時の発生能力の装置も開発し、順次市場へ投入の予定です。
本装置の仕様
装置能力 | : 50立方メートル毎時 |
原料 | : 13A都市ガス(天然ガス) |
製品水素純度 | : 99.999.%以上 |
送出圧力 | : 0.7MPa以上(最大) |
装置面積 | : 約9平方メートル |
本装置の特長
- 高効率化の追求
徹底した省エネルギー設計により従来の装置に比較して、20%以上の原料使用量削減を図り、更に製造水素コストの低下を実現しました。 - コンパクト化の追求
設計の大幅見直しにより、従来の装置に比較して、1/2(約9㎡)の設置面積にコンパクト化を図りました。 - 完全自動化の追及
多数の小型水素製造装置の運転経験を反映した信頼性の高いシステムを構築しています。起動、停止や負荷変動にも自動対応する運転シーケンスを標準装備しています。 - 設置工事の簡便性
原料圧縮機、オフガスホルダーを含めたスキッドマウント型のため、設置が容易であり、現地工事を簡素化できます。
名前の由来
Hydrogen Generation-system 'Improved Apparatus'
水素製造システム(改良装置)の略称と、ギリシャ神話に出てくる健康の女神HyGeia(ハイジェイア)に由来しています。
新型水素製造装置HyGeiaは、1月19日(水)より21日(金)まで、東京ビッグサイトにて開催される「第1回国際燃料電池展」の当社展示ブースで紹介し、2月末からは弊社川崎製作所にて実証運転の見学会を予定しています。尚、国際燃料電池展の当社展示ブースにて、実証運転見学会の受付を行います。