三菱化工機株式会社

英国サザンウォーター社より超高速沈殿装置を技術導入、販売を開始

三菱化工機株式会社(社長:波多野怜)は、このたび英国サザンウォーター社より水処理用の超高速沈殿装置を技術導入し、国内での販売を開始致しました。サザンウォーター社(正式名称:Southern Water Services Ltd.)とは、7月上旬に製造権を含む技術提携契約を締結致しております。

本装置は高速・高効率の固液分離性能を有し、様々な用途への適用が可能です。例えば、従来タイプの最初沈殿池と比較して、設置面積は約16分の1と非常にコンパクトになります。また、本装置はタンク径が2.5m、3.5m、5.5m、7.5m、10mの5タイプに標準化されており、据付、土木工事を含めた建設費が約2分の1に抑えられます。高濃縮率、設置面積の縮小、費用縮減と、性能、費用面ともに大変画期的な装置です。

本装置は、小型は鋼板製、大型はコンクリート製のタンクと、ポリプロピレン製のプレートパックにより構成されています。タンク内部には、スパイラルプレートパックと呼ばれ正式名称の由来となっている螺旋状に巻いた複数の傾斜板が吊り下げられていています。原水は流入パイプからタンク内部に流入し、スパイラルプレートパックを通過し、処理水はタンク上部の越流堰から流出します。スパイラルプレートパックは、原水の上昇速度に合わせてゆっくりと回転しています。スパイラルプレートパックを回転させることによりSS(*注1)の見かけ沈降速度が上昇し、同時に沈降距離が短縮します。その結果、必要沈降面積の大幅な削減が可能になりました。沈降した汚泥は、タンク底部に溜まり、排泥口から排出されます。

本装置は、英国において、最初沈殿池、返流水のSS(*注1)除去に使用され、合計20基の納入実績があります。日本においては、従来の用途に加え、重力濃縮槽の代替、合流改善、高度処理、上水沈殿池といった需要も見込んでおり、周辺設備も取り込んで、3年後には10億円以上の受注を目指しております。

*注1 SS・・・Suspended Solidの略語。懸濁(けんだく)粒子という意味。

本装置の正式名称は、De Hoxar Spiral Separator(デ・ホクサースパイラルセパレーター)であり、発明者でサザンウォーター社員のDe Hoxar氏の名前が冠されています。日本国内においては、平成14年に特許取得済みです。サザンウォーター社は、イングランド南部ブライトンに位置し、イングランド東南部において220万人に対して上下水道サービスを行っている会社です。