三菱油清浄機"OP・SJ"の生産台数が6万台を突破
三菱化工機株式会社(取締役社長:籔内康雄、TEL044-333-5354)では、本年7月16日に三菱油清浄機の生産台数が、昭和17年に第1号機を納入以来通算総計6万台を突破した。
SJ(セルフジェクター:SELF JECTOR)、OP(オイルピュリファイャ:OIL PURIFIER)の愛称で知られている三菱油清浄機は、遠心力を利用して、比重差により油・水・スラッジ(重油に含まれる固形の残渣)に分離の上、清浄・再利用することで、国内外の顧客に広く好評を博している。
三菱化工機株式会社が、昭和17年国産化の要請に応えて生産した三菱油清浄機第1号機は、スラッジが溜まると、一度運転を止めてスラッジを掻き出す型(OP型)でしたが、 船舶用の燃料油及び潤滑油の清浄用として採用され、国内船はもとより昭和20年代後半には輸出用船舶にも搭載され、生産台数を増加させました。
さらに、スラッジを取り出すたびに運転を止めなければならないOP型に対して、低質重油を燃料とする海運界から、運転を止めずにスラッジを排出できる型の要請が強まり、これに応えて昭和30年自己排出型を開発し、これを「セルフジェクタ:SELF JECTOR」(SJ型)と命名し、以後量産体制に入りました。
新開発のSJは、当時の造船ブームに乗り急成長し、シリーズ化、自動化、遠隔操作化等がなされ、その製品の信頼性の高さから広く愛用され、生産台数も飛躍的に伸び、昭和45年には1万台、52年には2万台、57年には3万台、61年には4万台、平成5年には5万台、そして本年7月を以って6万台を達成し、突破したもの。
なお、この間三菱油清浄機は、幾多の技術改良及びモデルチェンジがなされ、現在はSJ・OP型合わせて2タイプ14機種が生産されており、処理量は1台当たり700~14,200リットル/時となっている。
三菱油清浄機を製作する当社は、本製品を国内はもとより海外各地にも輸出・販売し、船舶用の分野では、欧州のメーカーと並んで、世界の3大メーカーのひとつに数えられている。
船舶用以外では、自家発電設備用の燃料油、潤滑油、製鉄プラントの圧延機用圧延油及び各種機械油、廃油の再生など省エネルギー・省資源機としても採用され、また、食品、バイオを含む様々な産業分野に多岐にわたって納入されている。
また、顧客に納入された三菱油清浄機のアフターサービスについては、国内13の代理店、海外14の代理店からなるアフターサービス網によりカバーされており、本製品の維持管理、補修から顧客の最新のニーズ把握までをフォローすることとしている。
三菱油清浄機の開発・改良の歴史を振り返るとその主な項目は、次のとおり。
(1) 昭和17年:OP型第1号機生産納入
(2) 昭和22年:OP型シリーズ化開始
(3) 昭和26年:初めて輸出船に搭載
(4) 昭和30年:SJ型開発及び量産体制化開始
(5) 昭和40年:本製品の腐食対策用にステンレス製内部回転体完成
(6) 昭和46年:SJ型のユニット量産化開始
(7) 昭和60年:SJ型-エクセレントシリーズ開発
(8) 平成 6年:ISO9001認証取得
(9) 平成 8年:SJ型-フューチャーシリーズ開発
(10)平成11年:生産台数6万台突破
当社は、日本の独自技術による唯一の油清浄機メーカーとしての地位を不動のものとし、生産台数6万台突破をひとつの契機として、これまで以上に今後も造船業界との歩調を合わせて、21世紀をにらみ、無人化・省力化などのさらなる要請に応えて、精密分離技術・資源再利用技術の改良を続けて、顧客の要求するコストレベルを保持することで、差別化を一層推進し、さらなる生産台数の向上を目指すこととしている。