三菱化工機株式会社

半導体製造装置向け大容量燃焼式排ガス除害・粉体処理装置を開発

三菱化工機株式会社(社長:波多野 怜)は、同社の資本・技術提携先である独DAS社(本社:ドイツ・ドレスデン、社長:ホルスト・ライヒャルト)と共同で、半導体製造装置向けの大容量燃焼式排ガス除害・粉体処理装置GIANT SEMI (ジャイアント・セミ)を開発し、来春から半導体製造を始めとし、太陽電池、液晶業界向けに製造・販売いたします。
新製品の大容量燃焼式排ガス除害・粉体処理装置GIANT SEMIは、三菱化工機とDAS社が世界で1800台以上の販売実績のある燃焼式排ガス除害装置で培ってきたノウハウと経験を生かし、今後需要の増加が予想される大口径ウエハ製造や太陽電池、液晶パネル製造分野をターゲットとして新規に開発した排ガス処理システムです。各分野の製造装置から排出される有害ガスや温暖化効果ガス等の特殊プロセスガスを完全無害化する新開発の燃焼リアクタと高効率2段スクラバ、そして副生成物の粉体回収機能が付加されているのが特長です。
これにより、環境改善への貢献度が拡大するだけでなく、今までの一般的な排ガス除害装置で問題となっていた除害装置後段のダクト配管の腐食問題やメンテナンス作業が大幅に削減され、装置の稼働率が向上します。

本製品の特長は次の通りです。

  • 排ガス集中処理や次世代CVD(※1)に対応する大容量処理
    排ガス処理量は毎分800リットル、最大6ポートの排ガスライン接続が可能です。
  • 粉体の滞留防止機能付き燃焼リアクタ
    燃焼リアクタ内部は、常に薄い液膜で覆われる構造を採用しているため、プロセス排ガスの燃焼分解時に発生する粉体が内部に付着、滞留することがありません。
  • クリーンな排ガスを実現する高効率スクラバ
    2段の高効率スクラバにより、酸性排ガスを急速に冷却・中和すると同時に、燃焼により副生した粉体の95%以上を回収し、クリーンな排気を実現します。
  • オプション装置で1ミクロン以下の微粉体を回収
    セルフクリーニング機能を付加した独自の電気集塵装置により、1ミクロン以下の微粉体を除去し、粉体回収率99.9%以上を達成します。
  • コンパクトな設置スペース
    大容量処理と粉体回収装置を幅2.0メートル、奥行き1.5メートル、高さ2.0メートルにパッケージングしたコンパクトなシステムです。

当社は、バックアップ機能を標準装備し、PFCガス(※2)を含めたCVDやエッチング排ガスに幅広く採用されている燃焼除害装置ESCAPE MOJULE(エスケープモジュール)シリーズに加え、新開発のGIANT SEMIと、大型液晶用GIANTのラインアップを揃え、ユーザニーズに合わせて毎分300リットルから2000リットルの排ガス量に対応した最適な除害装置を提供できる装置メーカーとして、3年後30億の売上げを目標に事業を拡大していきます。
本装置は、12月6日より千葉県の幕張メッセで開催されるセミコンジャパン2006の当社ブース(8D-711)で実機展示します。

※1 CVD ・・・ 半導体製造工程でシリコンなどの薄膜を作る工業的手法。
※2 PFCガス ・・・ 半導体製造工程でエッチングや洗浄に用いる代替フロンガスの一種。地球温暖化の一因となっている。

三菱DAS燃焼式排ガス除害装置 GIANT Semi