三菱化工機株式会社

たて型遠心分離機を新規に開発・製造・販売し、第1号機を納入

このたび、三菱化工機株式会社(社長:籔内康雄)は、新規に開発した大型たて型有孔壁底部排出式遠心分離機VZシリーズの製造・販売を開始し、その第1号機VZ60S型を国内プラントメーカーより受注し納入しました。

本機は、当社が「たて型遠心分離機」として新規に開発したVZシリーズの納入第1号機であり、バスケット内径1,520mm、容量960リットルの大容量により、高い処理能力を有する大型遠心分離機です。

当社は、これまで遠心分離機の市場では、舶用の油清浄機関係に累計65,000台以上の納入実績を有し、舶用以外の各種産業分野においても、特長のある高速掻き取り式横型遠心分離機、連続押出し式横型遠心分離機、デカンタ型遠心分離機等を各種ケミカル、医薬、食品及び廃水処理分野向けに累計約2,000台以上の納入実績を有しております。
このような状況の下、最近では、舶用以外の各種産業分野において、顧客から、高効率で、省力化が可能で、しかも低価格という目的に合致した遠心分離機を求める声が高まっておりました。
こうした市場のニーズに的確に応えるため、当社は、VZシリーズの新規開発に着手し、高効率・省力化・低価格の目的に適合できる「たて型遠心分離機」を市場に投入いたしました。

本機は、主にケミカル、食品、医薬、金属等の幅広い産業分野において、スラリー状の物質の脱液洗浄用として使用されることが想定され、当社としては、樹脂、染料、医薬中間体原料、金属粉体、界面活性剤等の用途に営業拡販を推進することとしております。

大型たて型有孔壁底部排出式遠心分離機VZシリーズは、次の主要8点に特長があります。

  • 大容量(260リットル~960リットル)の深型バスケットを採用したので、容量に対応した広いろ過面積を有し、高効率のろ過分離能力を発揮することが可能です。
  • 脱水ケーキの排出用に幅広の掻き取りナイフを採用しており、短時間で微粉ケーキの回収が可能です。
  • 防振対策用に特殊スプリングダンパーを採用しており、本機架台の基礎に伝わる振動負荷を大幅に低減させており、簡単な架台への据付、階上への設置が可能です。
  • ろ布交換が容易に行えるラチェット式テンションリング(ろ布止めバンド)を採用しており、極めて短時間にろ布の交換が行える省メンテナンス性をも考慮しております。
  • ろ液出口ノズルを大きくしており、ろ過分離されたろ液が、本機外へスムースに排出されます。
  • 高効率インバータモータを採用しており、消費電力の節減が可能となり、さらにインバータのもつ回生制動機能によりブレーキ部品の交換が不要です。
  • VZシリーズは、42型、48型、60型の3型番からなり、材質は、標準型にはSUS316Lを使用し、その他、ハステロイ、樹脂ライニング等顧客の幅広い要望にお応えできます。
  • 本機では原料供給からろ液排出及びケーキの回収までの全自動運転が標準仕様で可能です。

さらに、次の2点がオプションにより実施可能となります。

  • 防爆仕様にも対応することが可能です。
  • 上部カバーを自動でフルオープンすることも可能です。

VZシリーズの価格は、全自動の標準型で、1,100万円~1,700万円と従来価格の3割程度安価です。当社はこのVZシリーズ機の年間販売目標を50台としています。

当社は、現状の本機への引合増加と、今後の需要に対応するため既にストック生産に着手しており、ケミカル、食品等の製造プラント向けに最適な遠心分離機として短納期の要求にも対応できるよう、積極苦的な営業展開を図ることとしています。