化工機商事(株)が建築物の耐火被覆材として販売している「耐火塗料(ナリファイアシステムS)」が、国内初の建設大臣一般認定を取得
このたび、三菱化工機株式会社(社長:籔内康雄)の100%子会社 化工機商事株式会社(社長:内田英明、本社:川崎市川崎区大川町2-1、電話:044-329-4460)は、「建築物の耐火被覆材として使用する耐火塗料(商品名:ナリファイア システムS)を用いた建築物」に関する建設大臣一般認定を国内で初めて取得した。この建設大臣一般認定の適応範囲は、「屋内および屋内環境の施工。耐火時間は一時間。」となっている。これまでは、耐火塗料を建築物の鉄骨の柱・梁に耐火被覆材として使用する場合、各建築物の建設毎に建設大臣の認定取得を求められていた。
今回の一般認定取得により、化工機商事(株)は建物毎の大臣認定を受ける必要がなくなり、耐火被覆材として耐火塗料「ナリファイア システムS」をいつでも建築物へ使用することが可能となり、今後大幅な販売の拡大が期待される。
鋼製建築物の主要構造物である柱や梁に使用される鉄骨は、火災時に高温にさらされると熱変形し、建物の到壊を引き起こす原因ともなることがある。このため、建築基準法では、建築物の主要構造物である鉄骨の柱や梁に耐火被覆材の使用が、義務づけられている。これまで国内では、耐火被覆材として「ロックウール」や「けい酸カルシウム板」が広く使用されてきたが、これら従来の耐火被覆材は、被覆膜が厚いため意匠性を高めた建築物には適さなかった。これに対し、化工機商事(株)が販売する耐火塗料「ナリファイア システムS」は、従来の耐火被覆材に比べ被覆膜が薄く(1~2mm)、一般塗料と同様の美しい表面仕上げが可能なため、意匠性の高い露出鉄骨の耐火被覆材として好適な高機能性耐火塗料である。
耐火塗料の特長は、火災時に表面温度が約250℃に達すると被覆膜が発泡を始め、常温時の約30~50倍まで発泡し緻密な断熱層を形成し、耐火被覆材として機能する。このため、耐火塗料「ナリファイア システムS」を用いることにより、ロビー、アトリウム(中庭)などの大空間に、鉄骨の柱・梁などを露出させる意匠性の高いデザインを用いた建築物を容易に施工できる。
耐火塗料は、日本ではまだ一般的に馴染みがない製品だが、欧州で耐火構造適合材として開発され、20年以上前から広く使用されている。国内では化工機商事(株)、昭和63年(1988年)英国のナリファイア社(Nullifire Limited)と耐火塗料「ナリファイア システムS」の総販売代理店契約を締結、販売を開始し、平成2年に初めて国内の建築物に施工した。
これまでに化工機商事(株)では、関西国際新空港、クアラルンプール国際空港に約30件の耐火塗料「ナリファイア システムS」を用いた施工実績がある。
(主な施工実績は、次の通り。)
金成町役場庁舎(宮城県)、せんだいメディアテーク、茨城県庁、ららぽーとスキードーム、大森ベルポート、東京国際フォーラム、JTビル、明治神宮外苑テニスコート、SANKYO新東京本社ビル、道玄坂一丁目開発、刈谷市産業振興センター(愛知県)、関西国際新空港、広島西消防署、熊本県立天草工業高校、クアラルンプール国際空港、その他
今回の建設大臣の一般認定取得に至るまでの間、化工機商事(株)は建設省建築研究所及び(社)建築研究振興協会が共同実施した「ハイブリット型防耐火材料開発委員会」に参画し、欧州等で耐火塗料の耐火性能評価法として採用されている「ISO834(建築構造・部材の耐火試験法)」に準拠した耐火試験方法での耐火性能評価を行っている。
また、(社)日本鋼構造協会が行った「耐火塗料の実用化に関する調査研究」にも参画し、その研究の成果として、平成10年3月に発表された研究報告に基づく耐火塗料の耐久性の評価方法及び施工・維持管理の手法を確立している。
これまで約12年間の国内営業活動を通じ「ナリファイア システムS」というブランド名が「耐火塗料」の代名詞のごとく国内では浸透しており、化工機商事(株)では、今回の建設大臣の一般認定取得を契機に、これを生かした積極的な販売活動を行う。
本年度の売上目標は、3億円、3年後には10億円の売上を見込んでいる。なお、施工は、化工機商事(株)の責任施工及び同社が認定した工事業者が行うこととしている。
写真は、関西国際新空港に施工したもの。