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バイオマスのチカラで未来を拓く 低炭素社会の実現に一歩近づいた 環境・エネルギーのクリーン化技術

日本最北端に位置する稚内市は「環境都市宣言」を提唱し、風力発電や太陽光発電等、自然エネルギーの活用を積極的に推進しています。先進的な環境保全に取り組む同市において、平成24年4月、三菱化工機の次世代エネルギー技術活用による生ごみのメタン発酵施設が完成しました。低炭素社会を築く三菱化工機のバイオマス関連技術についてご紹介します。

生ごみから電力を回収する最先端の環境技術。

メタン発酵槽

メタン発酵槽

バイオマスは、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されています。エネルギーになるバイオマスの種類としては、生ごみ等の食品残渣物、汚泥、家畜糞尿、紙などの有機物があり、電気や燃料に転換されたバイオマスエネルギーは、二酸化炭素の発生量が少なく、環境にやさしいという特長があります。

イメージ写真

今回、稚内市に完成したメタン発酵施設は、従来最終処分場で埋立て処分していた家庭からの生ごみをメタン発酵することにより1/10以下に減容化し、最終処分場の寿命を延ばすことを目的にしています。さらに、メタン発酵から得られるバイオガスによりエネルギー回収を行うことで温暖化ガスを抑制するシステムともなっており、三菱化工機の独自技術が余すとこなく生かされています。

生ごみのメタン発酵施設では日本初となるPFI方式の新事業。

稚内市バイオエネルギーセンター

稚内市バイオエネルギーセンター

今回、稚内市に整備した生ごみのメタン発酵施設は、「稚内市バイオエネルギーセンター」。平成22年6月(平成21年12月21日受注)に着工し、試運転を含む約2年の工期を経て完成しました。当センターは、日本初のPFI方式(※)による生ごみを主体とするメタン発酵施設としても注目を集めました。

※「PFI」とは、「Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」の略で、公共施設等の建設や維持管理、運営等を民間の資金、経営能力、技術力などを活用して行う手法で、生ごみのメタン発酵施設では日本で初めての試みです。効率的かつ効果的に公共サービスを提供できるメリットがあり、今後の普及拡大に期待が寄せられています。

今回の事業では、(株)大林組を代表企業に、地元稚内の石塚建設興業(株)、三菱化工機による特別目的会社、「稚内エネサービス株式会社」(稚内市)を立ち上げ、事業に臨んでいます。三菱化工機は、平成39年3月までの15年間という長期にわたり、同施設の管理・運営を行います。

市内の生ごみをすべてバイオガス化処理。

稚内市バイオエネルギーセンターは、生ごみだけでなく、従来一部直接埋立てを行っていた下水道汚泥や水産廃棄物などについても、同様にバイオガスからのエネルギー回収を行っています。

同施設の処理能力については、年間約7,300t。稚内市内で発生する家庭からの生ごみをほぼ全てバイオガス化処理することが可能です。こうして得られたバイオガスは、ガスエンジン発電機によるコージェネレーションに使用され、回収した電力は施設内で消費されると同時に、その余剰分が隣接する最終処分場や電力会社に売電される仕組みになっています。
また、コージェネレーションにより得られる温水は、建屋の暖房やロードヒーティングに使用されます。さらに圧縮天然ガス装置で生産された圧縮天然ガスは、市内を走行する生ごみ収集車の燃料としても再利用されます。

稚内市バイオエネルギーセンターは、まさに、低炭素社会に向けたごみ処理施設の理想像。バイオマスの有効利用を促進していく模範事例として、さらに、環境ビジネスの新たなスキームとして全国自治体から視察要請が相次いでいます。

処理工程

稚内市バイオエネルギーセンター 施設概要

■敷地面積:5,150m2
■処理棟:鉄骨造地下1階、地上2階
延床面積:2,062.71m2

■メタン発酵槽:鉄筋コンクリート造、容量1,500m3
■ガスホルダー:ガスバック式ガスホルダー、容量250m3
■堆肥保管庫:鉄骨造平屋、延床面積127.5m2

【システム概要】
■処理方式:中温メタン発酵方式(無動力撹拌式発酵槽)
■受入量:7,332t/年 平均20.09t/日(最大34t/日)

当社の技術が、みなさんの生活の身近なところで役立てる日は、そう遠くありません。
当社はこれからも低炭素社会の実現に向けて、さらなる一歩を踏み出していきます。

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