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2005年6月13日

カナダ・クエストエアテクノロジーズ社と
水素PSA装置の販売契約を締結

三菱化工機株式会社(社長:波多野 怜)は、このたびカナダにあるクエストエアテクノロジーズ社(正式名称:QuestAir Technologies Inc. 以下、QAR社。)と、QAR社製水素PSA装置の販売契約を締結しました。

本契約により、三菱化工機は、日本、中国を含むアジア8カ国において、100Nm3/h以上の水素製造装置向けQAR社製PSA装置「HyQuestor」及び100Nm3/h以下の水素製造装置向けQAR社製PSA装置「H-3200」を販売する権利を獲得しました。三菱化工機の90基以上の水素製造装置の納入実績と、その販売チャネルが評価され、契約締結となりました。今後は、三菱化工機製の工業向け及び燃料電池向けの一部の水素製造装置に、QAR社のコンパクトで高効率な水素PSA装置を組み込み、販売致します。

このたび販売する水素PSA装置は、QAR社の独自開発した技術をベースとした、非常にコンパクトで高効率な装置です。

  1. QAR社の独自技術1:ロータリーバルブの採用
    吸着塔の切り替えにロータリーバルブを採用し、多数の切替弁、複雑な配管を省略しています。
  2. QAR社の独自技術2: PSAの各工程を高速で切り替え
    吸着、減圧、脱着、昇圧のプロセスを切り替えるサイクルが、従来のPSAが要する切り替えサイクル時間に比べ、非常に短縮されています。

この2つの独自技術により、ガス精製に必要な機器の大幅な容量低減に成功しています。この機器容量の低減は、PSA装置のコンパクト化に貢献し、水素製造能力400Nm3/hの場合で、従来のPSAの1/2~1/3の設置面積となっています。

三菱化工機は、小型水素製造装置に採用することを念頭に、優位性のあるこのPSA装置に着目し、2000年からQAR社と情報交換を始めました。そして、2001年に東京ガス(株)殿と共同で、初めて小容量型「HyQuestor」を、水素製造装置に技術検証目的で適用しました。また、ほぼ同時期に、(株)ステンレス久世殿の水素製造装置に、大容量型「HyQuestor」を適用しました。その後、東京ガス(株)殿が運営するJHFC千住水素ステーション用水素製造装置にも「HyQuestor」を適用しました。一方、この間にQAR社は、小容量型「HyQuestor」の後継機として、更にコンパクトな「H-3200」を開発しました。現在、三菱化工機においてデモンストレーション運転中です。

[用語解説]

PSA:Pressure Swing Adsorption・圧力スイング吸着法の略語で、ガス精製方法の1つです。吸着剤の吸着力の差と圧力変動を利用して、様々な成分の混合ガスから、目的とする製品ガスを分離する技術です。現在、PSAは、工業用水素、酸素、窒素の製造及び精製に幅広く適用されています。

[QAR社について]

正式名称はQuestAir Technologies Inc.、会社所在地はカナダ・ブリティッシュコロンビア州バーナビー市です。QAR社は、工業ガス分野及び燃料電池分野において、独自のガス精製装置を開発し、グローバルに供給してきました。また、Exxon Mobil Research and EngineeringやShell Hydrogenと共同開発を行っており、Fuel Cell Energyとも協力関係を持っています。日本における販売実績は、工業用や水素ステーションのデモンストレーション用に、8基納入しています。
QAR社のウェブサイト : http://www.questairinc.com/

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