2000年11月20日
ダイオキシン対応汚泥焼却設備を完成、納入
三菱化工機株式会社(社長:籔内康雄)は、このたび吉富ファインケミカル(株)久寿工場向けダイオキシン対応の排水汚泥焼却設備を完成・納入しました。
本設備は、平成14年12月1日より施行されるダイオキシン類対策特別措置法の構造及び維持管理基準に適合するよう設計・建設した、高機能でコンパクトな排水汚泥焼却設備です。
本設備は、同工場の排水処理設備より排出される脱水汚泥、同工場の生産工程から排出される廃液及びスラッジを流動床焼却炉により焼却処理するものです。
本設備は、流動床焼却炉(平成9年4月ベルギー・セガーズ社から技術導入)及び排ガスのエネルギーを有効利用する空気予熱器、温水ボイラー等の熱回収装置に加え、高度な集塵処理を行うバグフィルタ及びHCl(塩化水素)・SOx(硫黄酸化物)を処理する消石灰とダイオキシン類を吸着処理する活性炭の供給装置等の排ガス処理装置より構成されています。
なお、今回納入した流動床焼却炉には、次の4つの特長があります。
- 砂層の浅い流動床(静止時:400mm、流動時:600mm)と特殊なエア分散ノズルの採用により、流動部の完全混合と低圧力損失を実現し、高効率な安定燃焼が可能であること。
- 高速旋回流方式による二次空気吹き込みと長い滞留時間(約5秒)を保有する構造から、完全燃焼を促進し、ダイオキシン類の発生防止が出来ること。
- 炉上部に設置された空気予熱器を用いて、燃焼用空気を加熱し熱回収するので助燃費用を低減できること。(輻射熱を利用したUチューブ型空気予熱器を用いて、より高温の燃焼用空気を回収することから、高含水率汚泥を助燃費用ゼロで燃焼が可能です。)
- 燃焼制御では、各種焼却対象物に対応可能なように最新の制御方式を採用していること。
本設備は、上記の流動床焼却炉による完全燃焼に加えて、高度な集塵能力を有するバグフィルタ装置を設置し、二重のダイオキシン類の発生防止策を採用しています。
本設備建設に当っては、永年蓄積してきたエンジニアリングノウハウを駆使し、縦9m、横9mのコンパクトで省スペースタイプを実現しました。
当社は、これまでにも各種汚泥焼却設備を建設、納入しており、今後もダイオキシン類対策特別措置法に適合する汚泥焼却設備の拡販を図ることとしています。