川崎から世界へ。「Kawasaki Arena-City Project」で三菱化工機がめざすもの

2030年、京急川崎駅前に、新しいアリーナシティが生まれる。

スポーツや音楽だけでなく、ホテルやパーク、テクノロジーが集まり、「世界最先端の環境先進アリーナ」をめざす大きなプロジェクトだ。

先日、会見で明かされたこの新しいまちづくりの構想に、私たち三菱化工機はエネルギーの面から参加していく。

 

  • 創業の地・川崎で始まる、新たな挑戦

    2030年、京急川崎駅前に約1万人収容の新アリーナを中心とした「Kawasaki Arena-City Project」が開業する予定だ。

    スポーツや音楽の興行だけでなく、ホテルやルーフトップパーク、テクノロジー企業の拠点などが集まり、街全体でにぎわいと新しい価値を生み出すことを目指している。

  • このプロジェクトを京急と共同で推進するDeNAの岡村社長は、会見で、「これは単なる箱物づくりではなく、そこで生まれる熱量が街ににじみ出していく挑戦」と表現した。ITサービス企業としての知見と、ベイスターズ川崎ブレイブサンダースの運営を通じて培ってきたリアルなエンタメの経験を掛け合わせ、「挑戦」というキーワードで川崎から世界へ発信していく構想である。

  • 同席した川崎市の福田市長は、アリーナ上部に整備される大規模なルーフトップパークへの期待を語った。日本の玄関口である羽田空港にも近い川崎駅前という立地に、世界的にも珍しいスケールの屋上公園が生まれることで、「世界に冠たる公園」になり得るとし、「ルーフトップパークを目当てに人が訪れるような場所にしたい」とコメントしている

  • そして、この大きな構想の第一弾パートナーとして名を連ねたのが、味の素株式会社と私たち三菱化工機株式会社である。

     

    1935年に川崎で創業し、90年を超えてこの地で事業を続けてきた三菱化工機にとって、創業の地・川崎で進む新たなまちづくりに関わることは、大きな節目であり、これからの企業のあり方を問い直す良い機会になるに違いない。私たちは本プロジェクトに「エネルギーの当事者」として参画する。

  • 「Kawasaki 2050 Model」と
    三菱化工機の参加意義

    今回の発表では、アリーナシティのハード面だけでなく、「Kawasaki 2050 Model」という長期ビジョンも示された。エネルギー、食と健康、モビリティ、教育・人材など、複数のテーマをまたぎながら、2050年を見据えて川崎発のサステナビリティモデルをつくっていく構想である。

  • 私たちがこの枠組みに参加した背景にあるのは、「長年培ってきた技術だけに頼っていては、企業として次の20年、30年、50年を生き残れないのではないか」という危機感です。

     

    社長の田中は、企業としての成長性や存続可能性を考えたときに、従来の事業モデルを延長するだけではいずれ限界が来るのではないかーーーそういった問題意識を社内でも繰り返し共有してきた。

  • 「メーカーとして長年積み上げてきた技術の上に立脚するだけでなく、さらに一歩高みを目指さなければならない」。

     

    「環境装置やクリーンエネルギー技術を提供するだけでは、循環型社会の実現に十分とは言えないのではないか」。

    その延長上に、今回のアリーナシティへの参画がある。エリア全体でのエネルギーの使われ方や循環に踏み込み、「川崎というひとつの都市のなかで、クリーンエネルギーが当たり前に使われる状態をどうつくるか」を、パートナー企業や行政とともに検証していく決意です。

  • 行政・企業・市民が、それぞれの強みを持ち寄る「Kawasaki 2050 Model」の中で、私たち三菱化工機はエネルギー分野の実装役を担う。エネルギーの地産地消、水素など新たなエネルギーキャリアの活用、施設単体ではなくエリア全体での環境負荷低減――こうしたテーマに、創業の地・川崎で実証レベルで挑めることこそ、私たちにとっての大きな参加意義である。

  • 川崎を“エネルギーの実験場”に

    私たちは、今回のアリーナシティへの参画に先立ち、「MKK PROJECT」として川崎市内でいくつかの実証プロジェクトを進めてきた。
水素吸蔵合金と燃料電池を一体化したシステムで公園の一部電力をまかなう実証や、川崎のソウルフードである担々麺の麺ゆでに水素由来のエネルギーを使う「水素|ノー炭炭(タンタン)メン」プロジェクトなど、街の具体的なシーンの中で技術を試している。

  • こうした取り組みを通じて、私たちがいま改めて実感しているのは、「良い技術をつくるだけでは足りない」ということである。大事なのは、その技術をどのような場面で、どのように使ってもらうかまでを含めて設計すること。アリーナシティでも、特別なイベントのときだけクリーンエネルギーをアピールするのではなく、スポーツ観戦や買い物、公園利用といった日常のシーンの中に自然に組み込み、利用者が気づかないうちにエネルギーの使われ方がより良い方向に変わっている状態を目指している。

     

    一方で、私たち三菱化工機自身もこの数年、社内のあり方を大きく変えてきた。技術者が工場に車通勤し作業服で働くスタイルから、本社機能を川崎駅前のオフィスへ移し、スーツで電車通勤をする働き方へと舵を切った。

     

    さらに、創業地の工場や事務所を一度すべて取り壊し、新たな工場・建物を建設するという、過去に例のない規模の設備投資にも踏み込んでいる。

    アリーナシティへの参画は、こうした社内変革の延長線上にある「次の一歩」なのだ。

  • 社長の田中は今回のプロジェクトについて、「決して小さなチャレンジではない」と語る。

     

    「企業としての立場から見れば、相応のリスクは当然あります。だからといって、安全な選択だけを続けていては、10年、20年先に『あの時、なぜ一歩を踏み出さなかったのか』と振り返ることになりかねない」

     

    「結果がどうなるかは、実際にやってみなければわからない。それでも、『何も試みなかった』という状況だけは避けたい。そうした問題意識から、このプロジェクトに会社として参画することを決めました」

  • 「カーボンニュートラルや水素といったテーマも、決して“新しく掲げた看板”ではありません。私たちがこれまで取り組んできた環境・エネルギー事業の延長線上にあり、それを社会が求める方向にきちんとつなげていくことが重要だと思っています」

     

    SDGsやESGのスローガンを掲げること自体を目的にするのではなく、自社の既存の強みを十分に生かしながら、事業そのものを少しずつ変えていく。その具体的な一歩として、川崎での実証や「Kawasaki Arena-City Project」への参加を位置づけている。

  • 2030年のアリーナ開業は、大きな節目であると同時に、ゴールではない。「Kawasaki 2050 Model」という名が示すように、2050年の社会を見据えた長い道のりのスタートラインに過ぎない。
創業の地・川崎で、エネルギーの使われ方を含めた新しいまちのあり方を実証し、その成果を世界に向けて発信していく。私たち三菱化工機は、このプロジェクトを通じて、“川崎発”の循環型エネルギーモデルづくりに取り組んでいく。

  • 京浜急行電鉄株式会社

    ‟Kawasaki Arena-City Project”
    味の素株式会社・三菱化⼯機株式会社とのパートナーシップを締結

    社会実装型サステナビリティプラットフォーム「Kawasaki 2050 Model」を開始

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