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青い海と青い空を守る 地球のための新しい「洗浄力」 船舶の排ガス問題を解決。三菱化工機の技術が世界の物流・運輸と、地球の大気を守る世界の物流と輸送を支える船舶。しかしその多大な貢献の影で、船舶の排気ガスによる大気環境への影響が国際問題となっています。この問題に対応すべく国際的な新しい規制が設けられ、多くの船舶が規制への対応を迫られています。三菱化工機は、これからの船舶を排気ガスの新規制に適合させる製品を提供し、物流・輸送のさらなる発展と地球環境の未来に貢献します。

 

海の上の「工場」がもたらす環境汚染

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コンテナ物流の登場などによって世界貿易は飛躍的に拡大したと言われています。大量の貨物を同時に運ぶ船舶は、物流・輸送のグローバル化を根底から支えていると言えるでしょう。
これらの船舶は、低コストで大量の貨物を運ぶため、燃料には重油を使用しています。原油から陸上経済活動で使用する良質な燃料を精製したあとに残る重油は、粘度が高く、様々な不純物を含んでいます。それゆえ、多くの大型船舶の機関室では、重油を安定して使用するために様々な処理を行い、エンジンを守りながら日々運航しています。

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重油燃料を燃やして、排気ガスを排出し、大量の貨物を世界中に運ぶ船舶は、さながら 海に浮かぶ「工場」と言えるでしょう。
そして今、世界の環境意識の高まりからこの船舶が排出する排気ガスを、もっと地球に優しいものにしようという努力が始まっています。

船舶から排出される排気ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、CO2(二酸化炭素)などは大気環境悪化の原因となり、酸性雨、地球温暖化といった様々な環境被害をもたらします。また、大気中でSOx ・NOxに起因して発生するPM(粒子状物質)による大気汚染も懸念されています。

排気ガスを“洗う”技術で、新規制と地球を守る

これらの環境汚染に対して、IMO(国際海事機関)はMARPOL条約付属書VIにおいて、船舶が使用する燃料油中の硫黄分含有量を規制しています。

ECA海域(排出規制海域・欧州沿岸のバルト海、北海、アメリカ沿岸)では、2015年より、現行の硫黄分含有量である1.0%から0.1%へ大幅に規制強化されます。また、EU諸国沿岸においては、2020年以降は0.5%へ低減することがEU指令において定められています。その他のすべての海域においては、2020年もしくは2025年以降より現行の3.5%未満から0.5%へ低減することが協議されています(※1)。 これらの規制に対応する低硫黄燃料の供給能力が限界に達する可能性があるとともに、燃料価格の高騰も懸念されています。

一方で、IMO(国際海事機関)は、MEPC59(第59回海洋環境保護委員会)において、船舶からの排気ガスを洗浄することにより規制に対応することを代替措置として認めています。つまり、排気ガス中の硫黄分を減らすことによって規制に対応しても良いということです。

そこで当社は、三菱重工業株式会社と協力し、船舶からの排気ガスを洗浄して排出する方法を提案。新しい排出規制と地球環境を守る船舶向け排ガス洗浄システム「三菱ハイブリッド SOx スクラバーシステム」を開発しました。このシステムにより、排気ガス中の硫黄分を低硫黄燃料油を使用した時と同様に減らすことが可能です。

(※1)2018年時点で燃料事情を鑑みて決定。

画期的な排気ガス洗浄システムで、世界の船舶を、変える

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「三菱ハイブリッド SOx スクラバーシステム」技術は、各海域で異なる規制値に対応できる2つの洗浄モードを兼ね備えているのが特長です。 すなわち硫黄分含有量が0.5%に規定されている海域では海水を使用する「海水ワンパス洗浄」を行い、 0.1%に規定されている海域では洗浄水を使用する「清水循環洗浄」に切り替えます。従来の硫黄分を含む重油燃料を使用しながら、海域ごとの規定に合わせてモードを切り替えるだけで排気ガスを洗浄して航行することができます。

さらに、高度ろ過システムを用いた排水処理装置の搭載により、一段処理で、確実に船外排水規制をクリアできる処理を実施し、排水処理によって発生するスラッジ(汚泥)を高濃度化することで、スラッジ量を低減できます。

「三菱ハイブリッド SOx スクラバーシステム」は新造船への搭載はもちろん、就航船においても「コンテナ方式」によるシンプルな搭載工事を実現します。通常の貨物コンテナ同様に搭載可能なため、デッキ部などを有効利用でき、機関室内の大幅な変更工事を伴いません。最小限の改造によって搭載可能(※2)であり、将来的に他の船舶への移設・転用が可能な製品です。さらに高齢船においても短期で投資回収が可能です。
今後、高騰が見込まれる低硫黄燃料との価格差を考慮すれば、規制航路を航行する新造船においては最短で、2年間という短期時間で投資費用を回収でき、以降メリットを継続的に生み出すことができます。

(※2)本システムは、川崎汽船株式会社、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、一般財団法人日本海事協会(NK)、三菱重工業株式会社との共同研究体制、およびNKの「業界要望による共同研究スキーム」による支援を受けて、実船搭載を実施いたします。

三菱化工機は、持続可能な地球環境と、世界の物流・輸送の未来の期待に、
イノベーティブな技術力で応えていきます。

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