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2009年8月5日

バラスト水処理装置の最新ガイドラインに対応した型式承認を更新

三菱化工機は、米国NEI社(NEI Treatment Systems LLC)からバラスト水処理装置「VOSシステム(Ventri Oxygen Stripping System)」の日本国内における製造販売権を既に取得している。

このVOSシステムについて、既にリベリア共和国とマーシャル諸島共和国から取得している型式承認の更新を、この度最新ガイドライン(G8)MEPC.174(58)に基づき完了した。

VOSシステムは、活性物質を使用しないため同物質の使用を規定したガイドライン(G9)に抵触しないとのことから、G9の審査を経ずにG8の型式承認を取得していた。

しかし、活性物質を使用しない装置の内容を明確にするため、昨年開催されたIMO(国際海事機関)の第58回海洋環境保護委員会(MEPC)においてG8の規定に、「活性物質を使用しないが結果的に化学変化を伴うシステムにおいては、環境汚染に影響の無いことを確認する試験(環境試験)を行い、その評価を申請に加えること」、の一文が追記されたため、今回の型式承認の更新を実施した。

今回の環境試験は「活性物質使用のためのガイドライン」(G9)に定められたものと同じ内容で実施され、その評価書がリベリア共和国、マーシャル諸島共和国にそれぞれ承認され、型式承認が更新された。(2009年7月)

VOSシステムは、燃焼により酸素濃度を低下させたストリッピングガスを発生させ、このガスをバラストライン上のベンチュリにおいてバラスト原水と混合することにより、水中の溶存酸素を減少することができる。さらに処理されたバラスト水に大気を接触させず低酸素環境を維持するシステムで、バラスト水中の水生生物をIMOの規定値以下に処理する。
このシステムにより低酸素状態で維持されるバラストタンク内では錆の進行を大幅におさえる防錆効果も発揮する。

特にタンカーやLPG船など爆発防止を必要とする船舶でVOSシステムを採用する場合、火気を使うストリッピングガス発生装置を爆発の危険性の低い安全区域、ベンチュリを火気厳禁の危険区域に分離して設置することで容易に防爆対応ができる。

NEI社は、海外の受注実績を順調に伸ばし、欧州船主の欧州建造船へ納入したVOSシステムのうち、既に3隻のオンボードテストを終え引き渡しを完了している。

三菱化工機では既に見積り問い合わせへの対応を行い、今回の最新ガイドラインへの対応や海外での納入実績に加え、設置スペースや運転コストにも改善を加えており、これにより営業攻勢の環境が整った。

以上


バラスト水処理装置 VOSシステム

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